声楽家♪立原ちえ子さんのBlog です。立原先生の魅力をお伝えするべく卒業生tsunobueが勝手にはじめたBlogでした。さてさて、最近は、Blogをやる気になった先生から届くメールを元に投稿しています。


by tsunobue
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ご無沙汰しました(曲目についてです。)

2週ほど前から更新しようと思ってもプロバイダーの繋がりが悪くて見送っておりました。

今日も繋がりが悪く朝から四苦八苦して、ようやく繋がりました。

早いもので既に一ヶ月前を切ってしまい内心は焦っているのですが、周りやら自分の体調やらが悪く思う程はかどっていません。

ただ嬉しいのは、伴奏の平島氏が合わせに来てくださること!
老体を気使って下さっているのでしょう。

ありがたいことです。
(リサイタルには、とても白いもち肌ぷるるん!のプリマドンナが登場しますので・・・どうぞ皆さまご来場くださいませ。。tsunobue)
今日はプログラム一曲目「澄月集」 寺崎 悦子の説明をいたします。

  1)
山また山
いくそのかひを
たどりゆきて
ゆく衛(え)もしらぬ
わがおもいかな

当て処(ど)もなく山路たどるにも似た自分のおもいをうたっています。
「いくそのかひ」「幾つものその山峡を」という意味です。

悩み、迷い、時に歓び、また次なる苦しみに喘ぐー
こうした人生と恋の山路をいくつ辿り来て、この先またいくつ辿り行くことか、そして自分の想いはどこへ行こうとしているのか・・・・その行き着く果てもみえないという嘆きなのです。


  2)
月をのする
波のいくかへり
きみを思ひ
ひとりつくづく
夜をあかすかな

水面に輝く月を映しつつ寄せては返す波---
あの波のように、何度も何度もあなたを想って、ひとり眠れぬ夜を明かすわが身・・・・という吐息交じりの詠歌です。

ゆったりと柔らかくうねる波のイメージが、愛する人への想いに身を揉(も)む姿を彷彿とさせる一首です。

  3)
行きまよい
思ひあまりて
ほととぎす
秋の野山を
いくよ血になく

これは想いがつのるあまりの懊悩(おうのう)が歌われています。
どうすべきかの道をも見失い、胸にせき上げる想いを鎮める術も無くなって、ただ泣いて泣いて、孤独の幾夜に血の涙を流し続けるしかないーーという悲嘆のうたです。

  4)
ただ澄める
水の心は
空しきに
嬉しくも来て
やどる月かな

澄月集というと「澄んだ月」と思いがちですが、この5首の短歌の中には、秋の夜空に澄み切った光を放っている明月も、冬の夜空に輝く白月もうたわれておりません。
この4首めの「澄める水」 「やどる月」からとって一語にしたのではないか・・・と書いてあります。

無心に澄みとおった水の静かな佇まいに、夜空を渡る月影がふと宿り、煌々と輝くその姿を水面に映す--- そこに彼の人の訪れがあり、静かに満ち足りた喜びが水面の月のように心をひたす。

  5)
なかなかに 
秋よ里(り)もなほ
嬉しきは
きみ待つやどの
夏の夜の月

秋の名月よりもうれしいのは、あなたの訪れ待つ我が家をほのかに照らす夏の夜の月。

(日本名歌曲百選 詩の分析と解釈より)

この5曲の中でこの曲の前奏の和音が変わったところが、今までの苦しさ、寂しさ、切なさが救われて私は好きです。

どれも2分は掛からない曲ですが、内容がとても濃いです。
どの曲も素晴らしく、歌いがいがあります。

どれが好きかと聞かれたら、3首と5首でしょうか!

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by tsunobue | 2006-10-06 22:00 | リサイタル