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声楽家♪立原ちえ子さんのBlog です。立原先生の魅力をお伝えするべく卒業生tsunobueが勝手にはじめたBlogでした。さてさて、最近は、Blogをやる気になった先生から届くメールを元に投稿しています。


by tsunobue
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蝶々夫人

今日は、朝11時から、映画をみました。とっても感動していた先生から、感想が届きました。
映画でオペラを観る。

今回学生や卒業生等と共に(10人)蝶々夫人の映画を観ました。観たい第一の理由は
夫人がミレッラ・フレーニだった事。1972年か73年頃のフィルムで指揮はカラヤン。
今の若い人たちは知らないかもしれない。
出演者はどの役の人もすばらしかった!
ドミンゴも若いし、声も張りのあるピンカートンだった。

(たしかに、ドミンゴが若かった!若い時は、結構カッコ良かったんですね。いやいや、今がかっこ悪いというわけではなくて・・・
フレーニは、私も大好きです。来日した時には、演奏会に行きました。いつまでも、衰えない歌声でした。

チラシを見たら、「1974年制作/ドイツ映画/2時間25分」 だそうです。)

この時(1972年頃)外国から見た日本はどうだったのか?今のように自由に海外旅行は出来ていなかったでしょう。ドルも360円はしていたと思います。
(もしかしたらそれ以上なのかも)
先輩先生方の留学のお話を伺うと、船で行かれたとか、シベリア鉄道とか、大変だったと伺ってます。
その時代の、日本が舞台の蝶々さんは今見ると、物凄い無理難題がある。

第一にお化粧。白塗りはしているのだが、顔だけ白く、首、手に塗っていない為、仮面のようで、最後まで違和感がありました。
そしてなんといっても、ヤマドリ。
志村けんの馬鹿殿そのまま。(もしかしたらこの映画から盗った?)
日本人の私達が見るからおかしいのであって、彼らにとっては変では無いのかも・・・・。

(あの白塗りは、特にアップになると、笑いのツボをかなり刺激されて、たまらなかったです。
白塗り仮面+目が西洋の化粧だったのが、これまた違和感がありました。リキッドのアイライナーで、くっきりぐるるんと目が描かれてました。着物も、とても不思議な感じでした。
そして、結婚式の白無垢。のろいをかけるためにわら人形をうちにいくような、白いものがペロッとおでこの上にはられてました。それも、白い紙。。。)
生で観るオペラと映画で観るオペラ、何が違うのか考えて見ると、細かい場面設定が映画では出来る。
舞台はその場面のみで、大まかなものになってしまうが、蝶々さんの独白(独り言)をうまく使っていて、舞台では独白も、大きな声で歌う訳で、「皆に聞こえているだろう」と解っていても『聞こえないふり』をしているという不自然さ!見えていても『見えない』という設定。

生は緊張感の中にスリリングがあるが、映画は安心して、音楽と映像を楽しめる。そして何より顔がはっきり見える。私の中ではやはり映像に軍配が上がり、しっかりのめり込んでしまい、隣に生徒が居るにもかかわらず、涙を流しました。

(独白の字幕に()がついていたのが、独り言なんだと分かりやすかったです。)
だいぶ昔ですが、台湾でバタフライをやった時、3幕の間奏曲で、演出家がここは「蝶々さんの夢」と題名を付け、ピンカートンの影を追いかけて、ステージ所狭しと駆け回っていました。ちなみに日本でやった時は、暗転でメイクさんが来て化粧を直してくれて、スタッフが団扇で扇いでくれて、係りの人が水飲ませてくれて・・・・。と、ま~色々です。
映画でもこの間奏曲は蝶々さんの思い、夢、理想が映像となり、(子供、ピンカートンと)3人で船に乗ってアメリカ・・・・・。
この映像がまたまた最後の悲劇を誘う訳でして・・・。

観ていて私、蝶々さんになりきってましたね!
歌うところが解ってるもので、ついついブレスをしてしまう。自分(バタフライ)の歌ってる時は涙が出ない。

涙といえば、研修所の終了公演がバタフライで、2幕花の2重唱で、「私の恋の勝利よ、私の誠実が勝った、彼は私を愛して帰ってくる!」と歌った後、涙が出てきて動けなくなった。スズキ役の方が、しっかり手を握ってくれて、我に戻った事がありました。あの時は有難う、えっちゃん!

(蝶々夫人は涙なしには観られないです。
例え、白塗り仮面であろうと、わら人形を打ちそうであろうと!(最初は、ぷっ!と思っていましたが)。あれだけ、おかしな事の連続でも、プッチーニの音楽の素晴らしさと、出演者の演奏の素晴らしさで、泣けちゃうものなのでした。自分でも、びっくり。)



話がそれましたが、
1幕でボンゾウ(叔父さんで僧侶)がなぜか隈取をした歌舞伎役者で、赤い裃だった。頭は剃ってなくて、五右衛門のようなヘアースタイル。
イタリアで見たボンゾウはヒンズー教、黄色い袈裟を来ている場合が多かったです。

最後死ぬタイミング、わりと音が決まっているのですが、映画ではピンカートンの3回の「バタフラ~イ」が終わって最後の最後、ピンカートンが目の前に現れてから自決でした。3年3ヶ月待ちに待って目の前で死ねるのかな~?!
私だったら泣きながらしがみ付いてしまうかも・・・・。
あっ、これだとオペラバタフライは悲劇で終わらない。自害しなければ・・・・。
私では無くて、蝶々さんだった!そういえば昔演出のK先生にバタフライの性格、生まれ、生い立ち、怒られながら教えて頂きました。
短い時間(音楽)の中で、気持ちを切り替える事はとても難しい、自分では無く、役になり切る。
遠い勉強してたての頃を思い出しました。また歌えることが有るといいですね!

長くなってまとまりがつかなくなってしまいました。
でも久々の感動です。
ヴェローナで大スペクタルオペラもいいが、素晴らしい演奏家でフイルムオペラもまたひとつです。

(あの、死ぬタイミングは、tsunobueとしては、「あんなヤンキーには、これくらいしてやらないとダメなのよぉぉ!よくやった!」という気分でした。あ~、可愛くないですねぇ~。。。)

tsunobue も、また、先生の蝶々さんを聴きたいです。
ずっと、記憶に残ってるんですよ。若かりし頃、先生にお願いして入れてもらいました。千葉県文化会館で見たのでした。

本日、映画の後は、ファミリーレストランで、総勢8名でランチをしました。ぞろぞろとお食事処を求めで歩き、たどりつきました。先生、ごちそうさまでした!

明日から、青森なのだそうで、とても忙しそうに帰って行きました。ニョッキとパスタを迎えに行くのかなぁ~
by tsunobue | 2005-08-28 23:05 | 近況